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「スカイ・クロラ」の世界

《ショーとしての戦争》
現代に似たもう一つの世界。ここでは、すでに恒久的な世界平和が実現されている。しかし人々は世界のどこかで誰かが戦い、死んでいく現実を必要としていた――平和を実感するために。「ショーとしての戦争」、安全な場所からそれを見つめることでしか、平和の大切さを実感できない大人たちがいる。彼らにとって、それは、絶対に終わらせてはいけない、そして嘘であってはいけないゲーム。確実に誰かが死に、確実に誰かが、誰かを殺す。



《キルドレ》
彼らは思春期の姿になると成長することをやめてしまう。そのまま年をとらず、大人にもならず、永遠の命を生き続ける――空で死なないかぎり……。地上にあるのは、うんざりするほど退屈な、永遠に続く日々。そんな彼らにとって、唯一、自分の居場所だと感じられるのが、戦闘機に乗って命懸けで戦う空。永久に思春期の容貌のまま、戦争の為だけに存在し、戦争以外では死ぬことがない彼らを、好奇と哀れみを込めて人々は「キルドレ」と呼ぶ。



《ロストック社》
人々が求める戦争を提供しているのは「戦争請負会社」。主人公たちは、日系企業「ロストック社」に所属し、欧州系企業「ラウテルン社」を相手に、終わらない戦争を続けている。基地のそばにある娯楽施設をパイロットたちのために用意するのもこの「会社」なら、人々がブラウン管を通して観戦するための「大作戦(ワールドカップ)」を企画するのも、この「会社」なのだ。



《ティーチャー》
絶対に終わらせてはいけない戦争には、絶対に倒せない敵が存在する。それが、ただひとりの大人の戦闘機乗り、ティーチャーだ。機体に黒豹のマークを描いたティーチャーの前に、多くのキルドレたちが散っていった。永遠の子供たち《キルドレ》が倒すべき“父”――。彼を倒したとき、何かが変わるのだろうか? 彼を倒さなければ何も変わらないのだろうか?



《オルゴール》
クサナギ・スイトの司令室では、部屋の主がいないときもオルゴールが鳴り続けている。曲が終わっても、もう一度始めから。何度も何度も繰り返される同じメロディ。それはまるで、キルドレたちの運命の象徴であるかのようだ……。



《刻印》
新聞を几帳面に折りたたむ癖、タバコに火をつけたマッチ棒を必ず折ってから捨てる癖。彼らのさりげない癖は、仲間たちを見送るキルドレにとって大きな意味を持つ。なぜなら、その癖を再び目にする時が来るかもしれないから――。


日本テレビ プロダクション I.G 提携作品 原作: 森 博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ(中央公論新社刊) (c)2008 森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

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