現在好評放送中で、4月からはDVDのリリースも開始されるTVアニメ『狼と香辛料』。原作は電撃文庫で06年から刊行が開始されたライトノベル。支倉凍砂(著)と文倉十(イラスト)が描き出す新感覚のファンタジーとして、人気が高まってきたところでのアニメ化だけに、多くのファンの注目を集めている。アニメ版のOP曲を歌っているのはドラマ版『美少女戦士セーラームーン』や『3年B組金八先生』などに出演している女優の清浦夏実さん。TVアニメ『スケッチブック〜full color's〜』のOP曲「風さがし」に続いてのアニメOP曲。ずっと歌いたかったという彼女が今回のシングル「旅の途中」に込めた想いを語ってくれた――
●清浦さんが語る“演技の魅力”とは……――清浦さんが芸能界へ入ったきっかけから、まずは教えてください清浦さん:きっかけはスカウトでした。芸能界に興味はあったんですけど、“絶対なりたい!”という強い意志があったわけではなく、“面接に行って合わなかったら辞めちゃえばいいや”くらいの軽い気持ちでお話を聴きにいったら、所属が決定。中学一年生の春頃から、この仕事を始めるようになりました。
――これまでに、ドラマ『美少女戦士セーラームーン』の木村桃子役や『3年B組金八先生』第7シリーズの大胡あすか役など幅広い役柄を演じてきました清浦さん:元気な役柄から、意地悪な子まで(笑)。いろんな役柄を演じられるのって、楽しいですね。普段の私はとにかく元気な性格で、そのせいかはわかりませんけど(笑)、今はわりと自分の性格に似た明るい役を演じることが多いですね。
――清浦さんが感じる“演技の魅力”とはなんですか?清浦さん:いろんな人たちと一緒に、その物語を作り上げていくところです。それは、音楽も一緒だと思います。いろんな人たちの演奏が重なり、一つの楽曲になっていく。演技も歌も、みんなで一つのものを作り上げていくところに、わたしは魅力を感じています。
ずっと歌も好きだったんですけど、デビュー以来演技を中心に活動を続けていたので、“歌いたい願望”を心の奥底に秘めていました(笑)。もちろん、演技は大好きですっ!!
――その念願の歌のお仕事の話が来たとき、どう思いましたか?清浦さん:「CDを出せるんだ」と、素直にそう思いました。わたし、デビュー以来ズッと女優中心の活動を続けてましたから、“歌う機会はないかも”と勝手に思い込んでいたんですね。だからこそお話をいただいたときは、本当にうれしかったんです。
レコーディングにはオケ録りから立ち会いました。自分の名前で歌う以上、すべての行程をしっかり見たかったし、知っておきたかったんです。実際にレコーディング風景を目の当たりにすることによって、“自分の楽曲ができあがってくんだ”という実感を強く持てたのはうれしいことでした。
●2ndシングル「旅の途中」に込めた清浦夏実の想い……――2月6日に発売となる2ndシングル『旅の途中』。この楽曲は、アニメ「狼と香辛料」のオープニング歌として流れています。最初に、楽曲を聴いたときの印象から聴かせてください清浦さん:初めて吉良知彦さんの手がけた楽曲を聴いたとき、「ドラマチックな、でも民族音楽っぽい要素を持った曲だな」と思いました。レコーディング段階では『狼と香辛料』に対する知識はそんなになかったので正直、“何処まで想いを汲み取って歌えるか”という心配はあったんですけど。楽曲を聴いてるうち、自然と頭の中に「果てしなく続く青空の下、バーッと遠くまで広がっていく麦畑の風景」が浮かんできました。そんな美しい田園風景の中を、主人公たちが旅を続けていく。その姿を第三者的な視点で見つめながら語りかけるような気持ちで、この『旅の途中』を歌いました。
歌い終わったあとに原作本を読んだときにも、「あ〜、あの歌詞のこの部分に、このシーンの想いを書いてたんだ」と、物語の内容と感情がつながったり。オープニングの映像と歌が重なりあったときも、お互いがピッタリ寄り添っていたから安心しました(笑)。
――歌詞に対する印象や、好きなフレーズがあったら、それも教えてください清浦さん:原作本の中には、つらい旅の風景も出てきますけど、小峰さんの歌詞には、「旅って、けっしてつらいものではなく、楽しい未来が待ってるものなんだよ」という想いがつづられていたんですね。わたしもその気持ちにすごく共感を覚えていたように「この旅の先には素敵なゴールが待ってるはず。だから、希望を持って前に進んでいこう」という想いを胸に歌いました。
ちなみに好きな歌詞は、「高く空まで飛んで/三日月になる/ハッカ色の星はきっと/涙のかけら」という部分です。
●TVアニメ『狼と香辛料』に寄せて……――アニメ『狼と香辛料』を観ての感想もぜひ聴かせてください清浦さん:狼少女のホロと行商人ロレンスの会話の駆け引きは、ホント面白いですね。あと、ホロの心の内側が見えてきたときにも、共感を覚えました。
――「旅の途中」の中には、物語とリンクした想いもいろいろ入ってますしね清浦さん:そうなんです。原作本を読んでる方ならとくに。読んでない方でも、物語が進むごと「狼と香辛料」の世界観と歌がリンクしていくから、聴いてて楽しくなると思います。
――あらためて、「旅の途中」の魅力を語ってもらえますか?清浦さん:この曲は、とても希望を持った歌。空から光射してくようなイメージを持ちながら聴いてもらえたらうれしいですね。きっと、聴いた人の背中を押してく歌であり『狼と香辛料』という作品の、良いスパイスにもなっていくと思います。またC/Wに収録した「約束のうた」も、『狼と香辛料』の挿入歌として、こちらも物語とリンクした歌になっています。もちろん一粒(1曲)ごとに、だいぶスパイスも効いてますから(笑)。
●清浦夏実……実はアニメ好き!?――『スケッチブック〜full color's〜』、『狼と香辛料』と、アニメ作品のテーマ曲が続きますが、歌を始めて、いろいろ気持ちに変化も出てきましたか?清浦さん:前作も今回も、すごく素敵な楽曲を歌わせていただけたことが、本当にうれしいんです。それと、自分が小さい頃に好きで観ていたアニメの声優さんに、現場でお会いできたこともうれしかったですね。
――小さい頃は、どんなアニメを観てました?清浦さん:『美少女戦士セーラームーン』や『カードキャプターさくら』とか。私、坂本真綾さんや牧野由依さんのお芝居はもちろん、歌も大好きで普通に歌えちゃうくらいなんです。「旅の途中」のレコーディングのときにも、作・編曲を手がけてくださった吉良知彦さんに、「わたしの好きな『十二国記』の曲調と『旅の途中』が似てて、大好きなんです」と言ったら、実はテーマ曲などの作曲/編曲を手がけたのが吉良知彦さんだと、あとで知ったなんてこともありました(笑)。
――役者として活動している清浦さんだけに、声優への興味もありありですか?清浦さん:やっぱり軸にあるのは役者なので、やってみたいですね。一度、アフレコ現場をのぞかせていただいたことがあるんですけど。演技は仕種や間などでカバーできる面もありますが、声優さんは声だけで、しかも絵のタイミングに合わせて演じなきゃいけないですよね。すごく難しそうでしたけど、とても興味を持っています。
――最近、ブログも始めたそうですね清浦さん:今年1月からなんですけど、ブログをスタートさせました。お仕事の感想や裏話、わたしのプライベートまでスッポンポンな状態で書いていますので(笑)、清浦夏実のことを知りたい方は、ぜひチェックしてください。わたしの近況関係もいろいろお知らせしてくと思いますから。
TEXT:長澤智典